白４はａが正着（眼形が厚い）ですが、続く白６はさらなる大失着。黒石を攻める意図でしょうが、隅の白が危険であることに気づいていません。

黒１のオキから３とノビられると、左上白は心配な形。続いて白ａならコウですが、ここがコウでは白の大苦戦が明らかです。

白は１ともうひとつハッて、それから白３と右辺の大場を占めているくらいでした。白１は二線で不満の手ですが、自身の安全が最優先です。

黒１のツケは「白の一団を攻める」意図でしょうが、実は逆に白を助けてしまう疑問手。これでは相手に楽をさせてしまうだけです。

白１から３、５と形を整えられ、この一団に対してはもう攻めが効かなくなってしまいました。すべては攻めたい石にツケたからです。

攻めたい石に直接コンタクトするのではなく、遠巻きに窺うのが上策。黒１と下辺にモタれ、のちに黒ａあたりからの得する攻めを見るのです。

白１のトビは「上辺を囲う」ことにだけ意識が向いてしまった問題手です。中央で切り結んでいる互いの石の力関係が視野に入っていませんでした。

黒１のノゾキから３のケイマという力関係の要点を占められていたら、白が一方的被告となり、苦戦を強いられていたことでしょう。

白１のトビが全局的な石の強弱の急所でした。黒２には白３、５と追走し、主導権は白のものです。前図と比較すれば、その違いは一目瞭然でしょう。

下辺の白を攻めたい状況で、黒１のマガリは大失着。岩のように堅い右下隅から動いているからです。黒は石の方向を誤りました。

白１、３から13、15のハネノビまで、すっきりとした形でサバかれてしまいました。すべての元凶は、堅い右下から動いたことにあります。

黒１とこちらから動く一手で、白２、４とされてもなお攻めを窺うことができます。さらに黒５の全局的要点を占め、黒の大優勢は疑う余地がありません。

棋力向上のポイントになる場面を、一局の中で３〜４カ所ピックアップ。あなたならどう打つかを問います。
クリックして手順を進めると、ポイントごとに参考図や問題図が提起され、解説の文章と音声が流れます。

なぜこの手が疑問手なのかを、その後の変化図とともに説明されることで、失敗の理由に納得できます。
失着に至る考え方のプロセスが明確になるので、同じような局面でのミスが減少します。

正解手を視覚（その後の手順）と理論（文章）の両方で理解することで、正しい感覚がさらに深まります。
この正解図を何度も繰り返し見ることで、石の姿と方向性を身体で覚えることができるようになります。

この実戦経過図と正解図・失敗図を徹底比較することで「碁盤の景色」に対する感覚が鋭くなります。
なぜ実戦の経過が失敗だったのかを理解することで、同じ間違いを冒すことがなくなります。

実戦で頻出する手筋を、級位者編50問、有段者編50問に厳選して出題。繰り返し取り組むことで、やがて形を見ただけで「この手筋が成立するはず！」「ここが急所に間違いない！」と直観力が働くようになります。本ソフトで手筋の引き出しを豊富に蓄え、碁敵を「あっ！」と言わせる切れ味を養ってください。

七子を助けてください。

手段と手順のコンビネーションです。

黒１のワリコミが、白の隙を衝く手筋。白２には黒３から５のアテコミが決め手で、左方の黒七子を連絡することができました。このあと白ａには黒ｂです。また白２で４なら黒ｃとして、２の所と５が見合い。初手で単に黒５は、白ｃで失敗です。