「小林流布石からの新戦法」より内容の一部をご紹介します。
ツケコシから仕掛ける
新戦法
この局面では、黒1のツケコシが大変有力な一着です。この手を捨て石として活用し、優位を築く作戦といえます。
手順図 小林流布石
下辺黒5、7が小林流の構え。白8に黒9の肩ツキが有力な一手です。ここで白10のスベリが最もよく打たれる応手です。
従来の打ち方(1) 一間バサミ
黒1の一間バサミはよくある打ち方です。白2の押しに黒3以下白10まで、穏やかなワカレとなります。
従来の打ち方(2) 一間高バサミ
黒1の高いハサミも考えられる一着です。白2に黒3、5が一般的。白6以下12まで、前図と似た変化となり互角のワカレです。
新戦法 黒1ツケコシ パターン(1) 白2から4のアテ
黒1に対して、まず白2から4のアテで応じてきた場合です。黒はこの後の打ち方がポイントになります。
1図 黒3が好見当のハサミ
黒1のアテは絶対手。白2と抜いてきたときに、黒3が好見当のハサミです。黒は右下の白に迫りながら攻めを狙う作戦といえます。白4と受けてくれば…
結論図 2図 下辺が理想的で黒十分
前図に続いて、黒1の押しが力強い一手。白2、4に黒5が立派な手です。aの傷を守りつつ、右下からの構えを広げています。この図は下辺が理想的で、黒十分の進行といえます。
3図 変化(1図 白4で本図 白2)
黒1に白aと打った手で、白2と押してきた場合の変化です。黒は3のノビが絶対。白4にも黒5と受けます。これで下辺黒の構えがすばらしくなりました。白6の反撃には…
4図 一間トビが簡明
前図に続いて、黒1の一間トビが簡明です。この手はの石を補強しながら上下白への攻めを見た一石二鳥の手といえます。白2のカカリに対して…
結論図 5図 戦いの主導権を握って黒好調
前図に続いて、黒1とコスミツケる形。二子の根拠を奪う要領です。白2に黒3の受け。白4に黒5のトビまで、戦いの主導権を握って黒好調といえます。
6図 復習ポイント
黒1のアテに白2の抜きなら、黒3が好見当のハサミで、黒は有利な局面を築くことができました。
結論図 7図 変化(6図 白2で本図 白2)
黒1のアテに白aと抜いた手で、白2とヒラいてきた場合の変化です。それなら黒3の抜きが厚く大きい手。白4に黒5の受けまで、右下隅の地が立派で黒不満ありません。
新戦法 白2から4のノビ
黒1に白2から4とノビて抵抗してきた場合です。黒はこの後の打ち方がポイントになります。

※次の一手以降の変化は、本書に詳しく掲載しています。
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