はしがき
シノギも含めて、サバキは攻めと裏腹の世界、コインの裏表です。したがって本書は、「勝てる攻め方」シリーズ4の姉妹編となります。合わせてご愛読、ご研究下さい。
サバキは力関係で味方が劣勢な場合に考えられます。相手の勢力圏、相手の力の強いところで、どう打てばいいか。大きな顔はできません。しかし身を縮めて閉じこもるばかりでは、いいサバキは得られません。弱いながらも敵の欠陥を果敢につくとか、トカゲのように尻尾を捨てるとか、思い切ったフリカワリに出るとか、何らかの工夫をほどこしたいものです。
力関係が互角でのサバキもあります。小競り合いや差し手争いで、互いにしのぎをけずる。少しでも得をしよう、有利に立とうとするサバキです。どんなケースのサバキにせよ、手筋と急所、石の方向と周辺の配置を心がけます。本書を読めば、いっぱしのサバキの使い手になれると信じます。