左辺の黒二子を攻めたいからといって、白１と直接カケていくのは攻めになっていません。黒10までの整形をお手伝いしただけで、その代償として得た白の厚みもが控えているため、働き場所がありません。

攻めたい石は遠巻きに――二子には直接働きかけず、白１と下辺の黒にツケるのが「本当の攻め」というもの。攻めたい石とは違う石にモタれ、遠目に窺う呼吸を覚えてください。

黒１のハネに対しては、白２、４から６の二段バネ。黒の７、９は仕方がないので白10とカカえれば、一連の行動が自然とへの攻めになっています。下辺を黒ａと攻める手も生じて白大成功。

下辺の白を攻めようと黒１のケイマ。しかし白２とツケられ６までとされてみると、攻めるどころか自身のが弱体化してしまいました。石の方向を誤った典型例に他なりません。

黒１のトビは自身の弱石を視野に入れた落ち着いた一手ですが、への攻めという点で言うと迫力不足。白２から６と軽快に進出され、これ以上の攻めは望めなくなってしまいました。

自身の弱石である左下から動く黒１のボウシが正解。白は２、６を犠牲に８、10と進出するくらいのものですが、右方の黒は強固なため痛手を感じません。黒11で白二子を制し、存分な成果です。

黒１のハネ込みは部分にとらわれ、全局を見失いました。白２から６で左右を握手され、攻勢に立つチャンスを失っただけでなく、逆にが孤立して攻守逆転…。黒が得たはカス石なのです。

右辺の白と下辺の白には距離があるため、黒１と間を裂くのが絶好手。左右の白はそう簡単に治まることができる形ではないので、この一手で明らかな優位に立つことができます。

白は１と飛ぶくらいですが、黒２、４と間を飛んでいくだけで自然と主導権を握ることができます。黒６で右辺が確定地となり、まだまだ左右の白への攻めが見込めます。

白１のツケは打ち過ぎでしたが、形になずんでの黒２は失着で、白３のノビから９まで治まられてしまいます。しかも白３が下辺の黒模様を消す方向にノビているので、黒が大いに不満の結果。

黒１、３のナダレも失着。白４のツギから６、８と中央に進出され、これまた下辺黒模様の規模を削減されてしまっています。黒は明らかに石の方向を誤りました。

黒１とハネ出して、の打ち過ぎを咎めます。黒３のアテから５、７が緩まぬ後続手段で、白８に黒９とノビます。分断された白はどちらも相当な弱石で、黒の大優勢は疑う余地がありません。

クリックして一手ごとに手順を進めていくことで、問題図までの流れをキャッチ。
途中手で棋力向上に役立つ手があった際には「参考図」としてワンポイントの指摘もあります。

問題図の三択で正解手をクリックすると正解図へと進みます。画面およびナレーションで「なぜ正解なのか」を説明するとともに、その後の予想進行図を掲示。その相乗効果で、攻めの効果を改めて実感することができます。※正解変化図もあります。

攻めに関する重要手をＡ、Ｂ、Ｃの三択で出題。正解だと思う手をクリックすると、正解・失敗の判定が下ったのち、正解図もしくは失敗図へと進み、その理由とその後の変化図を示してくれます。

選択した手が失敗だと判定されても、その理由がわからなければ棋力向上は叶いません。そこで本ソフトでは、失敗手の後の進行を丁寧にフォローし、なぜ失敗なのかに納得していただける工夫を施してあります。

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黒番です。安易に攻めると、コウに粘られます。
少しだけ飛躍した発想を。

黒１のツケにまで踏み込む手に気づけば、あとは簡単。白２に黒３、５として白死です。初手で黒２の抜きは踏み込み不足で、白１に黒３とアテた時、白５の所に切られてコウに持ち込まれてしまいます。